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懐かしの先生情報

FOR YOU TALK | INTERVIEW 03 東邦短大での2年間をいろいろな意味で有効に使ってほしい

原 昭午 先生

1986年7月の邦友会誌 Vol.7に掲載された「FOR YOU TALK」記事より

女性の生き方・運命をしみじみと感じた第二回目橋本学長先生に引き続き、歴史学博士といえばこの先生、第三回目はいよいよ原先生の登場です。
一見、気むずかしそうな教授という印象を受けますが、素顔はいかに!!

先生、お邪魔します。

原 昭午 先生

打越の交差点から少し入った道沿いにある、今回のゲスト原昭午教授のお宅へ出向くことになりました。車の通りも日曜日のせいかほとんどなく、時折聞こえる子供のはしゃぐ声が、四月の風に乗って心地よく流れてくるのを肌で感じながら玄関までの階段を急いだ。
「先生、こんにちは」
「やぁ、いらっしゃい。さぁ上がりなさい」
先生の手招きで応接間に通された。部屋にはお嬢様が弾くと思われるピアノ、水彩画、旅の思い出の品などが飾られてある。先生がなかなかみえないなと思っていたところ、直々にお茶を淹れてくださって「女房が今日は留守でねー」と、ぎこちない手つきにスタッフ一同恐縮。
今回ゲストの自宅での取材とあって、少々緊張気味ではありましたが、「○○は、どうしている?」などと卒業生を気に留めてくださる先生の気持ちがうれしく有難く思いながら対談が始まった。

少年時代

原 昭午 先生

岐阜県中津川のご出身の先生、子供のころの事をこんなふうにおっしゃっています。

小さいころは病弱で、5才で麻疹をやりそれが肺炎にと病気を重ね、かったるい小学校時代だった。それでも、小学校5年生位でやっと体が安定したんだけど、それまでは本を読んでいるか絵を書いているしかなくてね。そのころから山へ行って夜遅くまで遊び回って、今考えると一番楽しかった時期でした。勉強の方はというと、体に悪いからと言われてむしろ勉強していると両親に叱られてね。「まあ、俺も百姓になるか!」と、農業学校へ進むことになったわけだ。
ちょうど、学校へ通い出したころ、第二次大戦の末期になって一年ぐらい工場造員として働いたんだよ。それから終戦を迎え、そのころまわりの友達が大学へ行くということで「じゃ、俺も行こう」と本格的に勉強しだしたわけだ。自分には体力が無いため、一番楽な方法はと考えて大学へ行って文学部の中の歴史あたりが遊べるかもしれないと思ったのが半分、当時早稲田在学中の学生が、戦後になって始められた研究の紹介をしてくれたことから歴史のおもしろさを知ったのが半分といった気持ちで大学に進んだんだよと、
子供のころから歴史への興味を持たれるまでを、煙草をゆっくりと吸いながら思い出し懐かしそうに語ってくださいました。

家族

話が進む中、奥様のご帰還。
「いらっしゃい」
「お留守にお邪魔しています。」
先生には二人のお嬢様がいらして一人は京都、一人は東京の大学へ進まれている。東京にいるお嬢様が体調を崩したため、奥様が見舞いに行ってのお帰りだったとか。
「仕送りが大変だよ。」などとおっしゃっていても、本当はご心配なんでしょうね。

先生は仕事上、いろいろな所へ行かれると思いますが、先生の場合常に歴史を辿りながら旅をなされるのですか?
「大体そうです。また、仕事柄そうなってしまいます。交通機関は車ではなく電車で、自分の足で昔を辿って行くといった感じですね。」
うらやましいですね。仕事柄とはいえ、いろいろな所へ行って一つ一つ歴史を辿りながら旅する。何となくロマンを感じさせますが、お一人で行かれるのですか?
「そうです。いいもんですよ。電車の待ち時間など、その土地の人をぼんやり見ていたり、時には話しができたりなんかしてね。」

毎日時間に追われる私たちの場合は目的地でスポーツしたりショッピングしたりとただ場所を変えるだけの慌しい旅行に対して先生の場合、その土地と歴史とを重ね合わせ昔を推測するなどは少なくとも今まで私がしたことのないこういった旅を、とてもうらやましく今度私も試したくなりました。

メッセージ

原 昭午 先生

先生、今日はありがとうございました。最後に在校生、卒業生にメッセージをお願いします。
「東邦短大での2年間をいろいろな意味で有効に使ってほしい。また、この2年間でつかんだものを大事にしてほしいですね。それから“先生、どうしてる?”なんて気軽に顔を見せに来てくれたらうれしいですね。」

取材を終えて

こうして対談が終わったわけですがいかがでしたでしょうか?
最後に、お忙しい中私たちのために時間をさいていただきありがとうございました。今度、円空の研究をなさるとか。お体には十分気を付けて、また円空の研究の成果を聞かせてください。

(伊藤・佐藤・佐藤・尾原)