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自身の体験記から、トルコの魅力を語る私のトルコ日記

短大14回生 千田里美

短大14回生 千田里美

今回は、文芸社から出版されている「私のトルコ日記」という本をご紹介します。14回生の千田里美さんの体験記です。

日記ということですが、いつ、どのような体験をしたのですか?

2年前、ある人の紹介で、トルコの小さな田舎町に住む子供達に日本語を教えに行くことになりました。実はその1年前から独学でトルコ語の勉強をしていたのですが、突然このようなチャンスが訪れたものの、果たして通じるかどうかもわからず、しかも紹介と言ってもホームステイ先の名前と電話番号と大まかな所在地だけしか情報がなく、その上英語も全然通じないということで不安がいっぱいでした。私はずっと専業主婦なので一人旅の経験もありません。そんな私がトルコに行くなんて本当に無謀なことでした。しかし、いざ出掛けてみたら、そこは想像を超えた驚きと感動の連続でした。私はボランティアのつもりで行ったのですが、そこはイスラムの国、お客様を丁重にもてなすのが大切な教えのひとつということで、お付の女性と専属運転手、そして毎日毎晩続くパーティーとまるでVIPのような待遇を受けました。わずか2週間足らずの滞在なのに、1冊の本にできるくらいのエピソードと感動があり、この貴重な体験を自分一人の思い出にしておくにはあまりにももったいないので、書籍という形で皆さんに紹介したいと思いました。

トルコの魅力と苦労したことは?

トルコでも地域によって違うようですが、私が滞在した町は敬虔なイスラム教徒ばかりで、アラーの教えが生活の細部にまで浸透していて、人々は忠実に教えを守ることによって、ユートピアのような幸せな暮らしをしていました。家族や親戚の結束力は素晴らしく強くて、父親を中心にいたわり合い、幸せはみんなで分かち合うという、今の日本ではちょっと信じられないようなストレスのないやさしさに満ちあふれた生活でした。また、食べ物は世界三大料理のひとつと言われているだけあり豊富な種類があり、どこの家庭でもスープからデザートに至るまですべて手作りで、何を食べてもおいしくて日本人の口にも合うと思いました。
苦労したことは、ただひとつ、時差ぼけでした。いかに海外旅行に慣れていないのかよくわかりました。時差が7時間あり、夜のパーティーの時間帯が日本の深夜にあたるので眠くて眠くて。やっとベッドに入ると、今度は日本の朝になるので眠れなくて、初めの5日間では合わせて8時間しか眠れませんでした。

本を出版することになった経緯は?

最初は本にするなんて考えていませんでした。遠くに住んでいる友達に手紙として書いていたら、余りに長くなってしまったのでワープロで打ち直しファィルして郵送していました。ところが意外にも評判が良くて、ある友達の中学生の息子さんが、このファイルを見つけて読み始めたら、おもしろくて夜更かしして一気に読んでしまったという話を聞きました。そして「感想文の宿題にはこういう本があるといいけど、これは本じゃないから書けないね。」という言葉を聞いて出版を考えました。

出版するにあたって苦労したことは?

出版社の担当の方々がとても丁寧にわかりやすくアドバイスしてくださったので、特に苦労したことはありません。ただ、カバーのデザイン、本文の字体や文字の大きさ、レイアウト、句読点に至るまで全て私のこだわりで制作したので、そこに込められた私の意図が伝わるかどうかが少し心配です。

卒業生の皆さんに一言

私は短大1年の時、海外研修で約1ヵ月アメリカのUCバークレー校で留学経験をしました。今でこそ全然珍しくない海外留学も当時では大変な冒険でした。ただその時は学生寮での生活だったので、いつかホームステイをしてみたいとずっと考えていました。結婚して子育てをして親の介護をして、そんな生活を続ける中でもその夢はずっと持ち続けていました。そしてその夢は40歳になってやっと叶いました。夢というものは諦めなければ必ずかなうものだと私は信じています。この本を読んで、忘れかけていた夢を思い出し、もう一度チャレンジしてみようという方がいらっしゃったらとても嬉しい事です。もちろん、私はもう次の夢に向かって歩き始めています。

書籍情報

  • タイトル:
  • 私のトルコ日記
  • 出版社:
  • 文芸社
  • 価格:
  • 1,200円
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