personal35大学13回生 松井 健斗さん

あの人、この人 | INTERVIEW 35学生と社会をつなぐ梯になりたい

大学13回生 松井 健斗さん
株式会社カナメヤ 代表取締役

邦友会誌 Vol.58(2022.10)に掲載された記事より

今回の「あの人この人」は、大学13回生の松井健斗さんです。学生時代から行動力があって、周りを巻き込んでいつも楽しそうにしていたのを覚えています。この取材の仲介をしてくださった手嶋慎介教授(経営学部)のご厚意により、本文を執筆していただきました。本当にありがとうございました。(邦友会事務局)

Q愛知東邦大学入学までの経歴をご紹介ください

中学2、3年まで全身全霊で野球に打ち込んできました。しかし、けがで断念、大切な友達も失うことになってしまい、勉強をして高校へ入学するという苦しい時期がありました。
その後、何か爪痕を残したいと考えて、高校の生徒会にエネルギーを注ぐことにしました。高校の外での活動から経験を得たいと考え、自ら発案し高校3年生で、名古屋市立12高校の連盟を設立することができました。現在の活動の出発点といえるかもしれません。

大学13回生 松井 健斗さん
大学13回生 松井 健斗さん

Q入学前から行動的だったのですね、幼少期からの性格でしょうか?

負けず嫌いなところがありました。家族をはじめとする人間関係では、「イケメン」「成績よし」「野球上手い」という兄の存在が大きかったと思います。兄を知る人からは、「彼の弟の松井健斗」という認識しかされていなかったと思います。また、母がPTAの中核にいたことから、地域との繋がりに関心が高かったですね。小さな頃から、地域の祭りが大好きでしたし、地域との関わりは自然と育まれたのだと思います。東日本大震災の後には、人通りが多いが市立高校がないという「栄」を選んでの募金活動を実行しました。この経験で地域と生徒・学生がコラボする難しさを経験しました。

Qなぜ愛知東邦大学を選ばれたのでしょうか?

その頃の愛知東邦大学には「スゴチカ」というキーワードがあったと思います。現在も変わらない特長だと思いますが、小規模であることや先生との距離感(スゴク近い)から愛知東邦大学人間健康学部(当時は人間学部)を選びました。社会人への足場づくりのステージとして新しさも感じました。地域と連携して何かを成し遂げたいと考え、入学式後すぐに、地方創生・名古屋市で町づくりに関わりたい大学生のコミュニティに申込みました。大学1年生で学生会に入り、2年生で副会長、3年生からは会長を務めました。名古屋市運営の大学機関連盟「ナゴ校」総代表にも就任しました。

Q今年、その愛知東邦大学で講義をされたのですよね?

6月中旬に、全学部1年生対象のキャリア支援の科目『ライフデザイン』にゲストスピーカーとしてお呼びいただきました。1・2時間目の2コマでたくさんの想いを伝えさせてもらいました。後輩の前で話す経験は少なくありませんが、対面で、これだけ多くの学生(1コマ約60名)の前で正式な授業をするのは初めてのことでした。1時間目は緊張して早口だったためか、時間に余裕があったのですが、2時間目は時間いっぱいまで話させてもらいました。それでも少し眠そうにしている受講生の様子を見て、「自分も授業中に失礼な態度を取っていなかったかな?」と懐かしく振り返りながら、少し反省しました(笑)。自分が受講していた教室に登壇したわけですし、まじめな話、感慨無量でしたね。授業後には、たくさんの受講生が熱心に質問に来てくれました。

大学13回生 松井 健斗さん

Q4月から株式会社化されたカナメヤの近況はいかがですか?

大学公式Webページの「TOHO Stories」でもインタビューいただきましたが、2022年の4月に正式に株式会社カナメヤ(https://kanameya-nagoya.info/)としてスタートしました。まちづくり事業、企業広報・採用活動サポート事業、就職(転職)活動サポート事業、産官学連携事業の4つを柱として、愛知県経済産業局「愛知県スタートアップ推進企業」にも採択いただきました。地域との連携は、大学時代からの活動が基盤になっているとも思います。カナメヤには、学生団体の加盟制度を導入しており、20の学生団体が加盟しています。483名(2022年6月1日時点)の高校生から大学生が所属しています。

Qカナメヤの活動に参加する学生が「TOHO Stories」に続々と登場しているようですね

加盟団体である「名古屋センキョ割実行委員会」や「名古屋六大学討論会」の運営事務局として活動してくれている学生メンバーが中心ですね。SNSでの発信など、どんどん自発的に動いてくれています。センキョ割への導入店舗拡大やセンキョ割のPR活動、毎月開催する討論会では、「名古屋市や国政の抱える課題」について討論が行われています。これらの活動に対するメディアからの取材も増えていますし、私自身もFM番組へのゲスト出演などもさせていただいています。今のところ、3・4年生が中心になっていますが、ぜひ1・2年生にも参加してもらいたいと思っています。カナメヤの学生団体の所属学生数は1,000名を目指しており、YouTubeチャンネルも開設しています。所属学生の中でも、愛知東邦大学の学生には特別な熱い想いがありますね。

Qその熱い想い、いくつかの受賞につながったと聞きましたが

はい。3月に、名古屋青年会議所が主催する『名古屋人間力大賞2022』にて『歴代グランプリ賞』を受賞することができました。4月には、日本青年会議所が主催する『青年版国民栄誉賞2022』にて、東海エリア(愛知県・岐阜県・三重県)から唯一の全国TOP20にノミネートいただきました。一般社団法人名古屋若者評議会の議長も務めさせてもらっていますが、学生とは年齢も違うので壁を感じることもあります。ただし、酸いも甘いも経験してきたのでぶち当たる壁は理解できます。みんなの中で肩をたたきながら走りたい。火をおこしたい。そんな気持ちで活動を広げています。

Q最後に、卒業生のみなさんにメッセージをお願いします

コロナ禍の影響で、何か自分でやらなければいけないと思っている学生が増えていると感じます。そんな学生には「成し遂げたいこと」を聴き、面と向かって話すとついてきてくれます。何かを始めたいけれどきっかけがない。挑戦しなくても卒業できるけれど挑戦したい。そこで「抽象的でもいいからどんなことがしたい?」と尋ねてみて、取り敢えず何かやりたいという学生には提供できるコンテンツを用意します。大学の正門を出たらそこは社会。大学とバイトだけでなく社会と接点を持つべきだと思います。
学生も、社会にでると知らない人と接点を持つことになります。だから、知らない人ばかりのところで活動を広げるのはいいことだと思う一方で、その一歩が踏み出せない学生もいます。
「私は卒業生だよ」というTOHO繋がりで、学生の挑戦を後押ししてみませんか。

私も元学生の松井さんの挑戦を、これからも応援しています!(文責:手嶋慎介)

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